カワサキ ゼファー(zephyr)買取査定

最も印象に残るツーリング

バイクでのツーリングには色々な思い出がある。なかでも楽しかった気持ちいいツーリングよりも、寒かったり雨にぬれたりという大変だったツーリングの方が強烈に記憶に残っているのは不思議なものだな、と思う。以前、竜神スカイラインを走ったツーリングは中でも印象的だ。暖かい5月の始めだったので長Tシャツにウィンドブレーカーという軽装で大阪の友人の家を出発し出かけた。山を登るまでは快調で、とても気持ちの良いツーリングだったが正直どんな道だったかなどは覚えていない。山道に差し掛かり、気持ちのいいワインディングを堪能していると、徐々に霧が濃くなりはじめた。そこからが大変だった。5mほど先しか見えない濃霧に見舞われ、前を走る友人もうっかり少し離れただけで姿を確認することすらできない。そして竜神スカイラインは途中で休むところがほとんどない。走るしかないのでかなり低速で走り続けると激しい雨に見舞われた。とにかく寒さが身に応えてきてクラッチを握る手も次第にかじかんで、固まってきてしまう。どうにかこうにか高野山までたどり着いたところで、やっとみつけたうどんやさんに駆け込んだ。一緒に走った友人も唇まで真っ青でしゃべることもままならないほどこごえきっていた。頼んだ鍋焼きうどんがきても手がかじかんでいるためお箸が持てず、食べることもできない。宿泊の予定もなかったので雨が小降りになった時を見計らって今来た道を引き返さなければならない。もちろん衣類を売っている場所もなく、うどんやさんのおかみさんに頼んで新聞紙を多めにいただき、からだに巻きつけて帰路もなきそうになりながら走った。この寒さ、痛さ、そしてつらすぎて笑ってしまうような経験はこの時が一番印象的だった。